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いま起業家が知るべき、ルールメイキングの3つのメリット

「RULES」と「REGULATION」と書かれたジグソーパズルのイメージ(ルールと規制の概念図)

「RULES」と「REGULATION」と書かれたジグソーパズルのイメージ(ルールと規制の概念図)

はじめに:市場を切り開く新たな戦略

マーケティング、ブランディング、と並び、近年新たな事業推進の打ち手となるのが、「ルールメイキング」

ルールメイキングは、公的なルールにアプローチし、市場や社会を動かしていくため、メガトレンドの形成や市場の開拓などに有効とされ、近年企業戦略の一つとして大きく注目を集めています。

以下のように、新たなマーケットで勝負する一歩手前で足止めを食らっている方こそ、ルールメイキングを検討する価値があるかもしれません。

①規制があるために、新規事業をスタートできない。
②明確なガイドラインが整備されていないため、身動きが取れない。
③市場がない、もしくは小さいために、事業を諦めざるを得ない。

このように、ルールによって事業や挑戦が滞っている人におすすめなのが、「ルールメイキング」というプロセスです。

本記事では、ルールメイキングとは何か、ルールメイキングがあなたの事業にどう役立つのか、そしてその始め方について、解説します。

ルールメイキングとは何か?政策提言による、法改正や規制緩和のこと

「ルールメイキング」という言葉を最近耳にする機会が増えてきたのではないでしょうか。そもそもルールメイキングとは、一体何なのでしょうか。

ルールメイキングとは、立法・行政・司法の関係者と協力し、社会をよりよくするための「ルール(法律や政策、ガイドライン、法解釈等)」の実現に向けた活動(作る・変える・啓蒙など)を行うこと。と私たちは捉えています。
※民間主導の自主規制や、ルールを変更しない働きかけなども含まれます。

ルールメイキングは、法改正や税制改正、規制の見直し、予算配分の調整、ガイドラインや通知の発出といった、公的なルール作りを指します。このプロセスでは、政府や行政が中心となり、専門家や市民、事業者の意見を取り入れながら、課題解決や新しい価値の実現を目指します。目的は、社会の変化に対応し、全体の利益を促進する持続可能な仕組みを整えることです。

法整備や政策を決定することは政治家や官僚の領域と思われるかもしれません。しかし、実際には、課題を感じている当事者や事業者からの提言をきっかけに政策が変更されたり、新たな法律や法令、ガイドラインが生まれたりするケースが近年増えています。

そのため、ルールメイキングは、起業家や社会課題解決を目指す方にとって、目的を達成するための非常に有効な手段です。

なぜ、起業家にルールメイキングが必要なのか?

「STARTUP」と描かれた黒板の前で腕を組む起業家の写真

起業家や社会課題解決を行う人は、自身の活動を行う上で、以下のような「法的な壁」にぶつかり、事業を進めることが困難となることがあります。

①規制があるために、新規事業をスタートできない。
(例:電動キックボードが、道路交通法上違法に当たるため、事業を開始できない。※LUUPの過去事例)

②明確なガイドラインが整備されていないため、身動きが取れない。
(例:ガイドラインがないため、食品の寄付は食品衛生法上のリスクがあり、寄付事業を推進できない。)

③市場がない、もしくは小さいために、事業を諦めざるを得ない。また、説得力が弱いため、投資家からも出資を受けられない。

しかし、ルールメイキングを行うことで、これらの課題を解消し、事業をより加速させることができます。

つまり、起業家や社会課題解決を行う人にとって、ルールメイキングとは、
「事業を加速させるために、障壁となっている法律や規制を、起業家自身が提案・働きかけをすることによって“より良い形”へと変えること」と言うことができ、自社の企業戦略の一環でもあるのです。

ルールメイキングの3つのメリット

木製の活版活字で組まれた「MERIT」の文字(メリットのイメージ)

起業家が挑戦する中で、ルールメイキングには特徴的なメリットがあり、これをうまく活用することで、事業の拡大や社会的影響力を得ることができます。以下に、ルールメイキングの活用によって得ることができる主なメリットを3つご紹介します。

  1. 事業の開始や拡大
    法律やガイドラインなどの制定、規制緩和等により、新規事業のスムーズなスタートや、既存事業の拡大の可能性が広がります。また、社会起業家にとっては、短期間でより大きな社会的インパクトを実現できるチャンスとなります。
  2. 市場の創出・変革
    ルール作りを通し、メガトレンドを形成することで、新たな市場の創出や成長を促すことができます。また、業界のゲームチェンジャーとなることで、投資家からの注目が集まり、資金調達がしやすくなるなどの効果も期待できます。
  3. 社会的認知と信頼の獲得
    ルールメイキングを主導し、政策提言の実績を積むことで、社会的認知や信頼を獲得することができます。政府や業界から認知されることは、企業の影響力を大きく高めます。「あの改革を主導した企業」として認知され、社会全体から「〜と言えばあの会社。」といったトップランナーとしての位置づけを確立することが期待できます。

 

このように、事業や挑戦を加速させるための重要な手段として、ルールメイキングを取り入れる価値は非常に高いのです。次に、ルールメイキングを取り入れた人は、どのようにしてルールメイキングを活用でき、事業を拡大したのかを見ていきましょう。

具体的な成功事例:電動キックボード「LUUP」の規制改革事例

一例として挙げられるのが、電動キックボード分野のスタートアップ「LUUP(ループ)」です。現在では、多くの都市で普及が進み、新しいモビリティの形として定着していますが、当初、LUUPの電動キックボードサービスに対する社会の反応は懐疑的でした。安全性や法的整備の不十分さが指摘され、多くの人々が不安を抱いていました。

そこでLUUPは、警察庁や国土交通省に対して丁寧に働きかけ、2019年に「マイクロモビリティ推進協議会」を設立しました。この協議会を通じて、安全性や法的整備を進めるための基盤を築くことに成功したのです。

この取り組みによって、政府や社会に対する信頼を得ることができ、サービスは急激に拡大していきました。その結果、電動キックボードの社会的認知度は大きく向上し、今日では多くの都市で普及が進んでいます。

RULEMAKERS DAOでも、業界関係者や弁護士、有志が集結し、これまでに政策提言を通してルールメイキングを行い、「合同会社型DAOの法制化」や「デジタルノマドビザの法制化」など、いくつかの法律やガイドラインの策定を行ってきました。これらの取り組みによって、国内でも新しいビジネススキームが生まれやすくなったり、新たな海外人材の受け入れ市場が生まれるなど、大きな社会的影響を生み出しています。

ルールメイキングの5ステップ

星評価が階段状に上昇していく成長・評価向上のイメージ図

ステップ1:リサーチ・解決策検討

まず、課題に関わる当事者へのヒアリング、先行事例や海外事例の調査を行い、事業を進める上で「どのような課題があるのか」 、「どのルールが妨げになっているのか」を明確にし、現在の課題を取り巻く要因と解決策の仮説を立てます。政策の質を決めるとても重要なステップです。

ステップ2:ステークホルダーの利害調整

同じ課題に直面している他のスタートアップ、業界関係者、専門家、有志コミュニティと連携し、共通課題を整理します。単独で声を上げるよりも、複数のステークホルダーがまとまった形で提言する方が、政策決定者への説得力が大きくなり、また、その後の政府などによる利害調整の負担が減るため、政策が実現しやすくなります。

ステップ3:政策担当者・有識者とのディスカッション

一定の方向で意見をまとめた後、関係省庁、政党、議員、自治体、業界団体などが開催する有識者会議やヒアリングの場に参加し、具体的な提案を行います。既存プレイヤーや行政側にとって受け入れやく説得力のある意見を提示できれば、ルールの実現が前進する可能性が高まります。

ステップ4:提案書の作成・精緻化

政策担当者との対話を通じて、提案をより実務的な内容にブラッシュアップします。どの法律の、どの条項や解釈を、どのように変更するのかなどを細かく定義し、さらに法曹関係者や専門家を巻き込みながら、実現可能な形へと近づけていきます。

ステップ5:政策提言

最終的な提案をまとめ、政府や関係機関に正式に政策提言を行います。ここで重要課題として認識されると、国会議員や官僚の方が、政府の政策の大きな方針をまとめた「骨太の方針(正式名称:経済財政運営と改革の基本方針)」に記載されるなどして、ルールの実現に向けて国全体が動いていくこととなります。ルールメイキングの詳しいステップはこちら:塩澤さん作成サイクル

その後:

ルール整備後はその優位性を活かして事業をスケールアップし、新市場を開拓しましょう。「規制を変革した企業」としてのブランド価値を高め、業界トップランナーとしての地位を確立することも期待できます。

仮に政策として取り上げられなかったとしても、関係者の反応を踏まえて提案を修正し、根拠やデータを補強しながら継続的な対話を行っていくことが重要です。

 

ルールメイキングにおける障壁

レンガの壁を打ち破るビジネスパーソンの写真(障壁突破のイメージ)

ルールメイキングの価値がわかったとしても、実際にルールメイキングを行おうとすると挫折するケースがとても多いです。主に直面する課題は以下のようなものです。

  1.  プロセスの不明確さ
    ルールメイキングの理論は理解していても、実際にどのように進めるべきかが不透明で、具体的な実践が難しいという課題があります。実際にどのようにルールメイキングを行うのか、具体例を交えた学びやレクチャーが必要です。
  2. ステークホルダーの利害調整の難しさ
    ルールメイキングでは多様なステークホルダーの利害調整が必要です。具体的には、従業員や顧客、投資家、サプライヤー、地域社会など、プロジェクトの遂行において異なる利害を持つグループを調整することは容易ではなく、その課題をどう克服するかが重要です。
  3. リサーチの情報収集とまとめ方の難しさ
    必要な情報をどこから集め、どのように整理して提言書にまとめるのかがわからずつまずいてしまうこと、曖昧である場合が不明確なことがあります。リサーチの方法や情報を整理するためのテンプレートなどのツールを活用し効率的に進めなければ、いたずらに時間が過ぎてしまうでしょう。
  4. 政策担当者とのコネクションのなさ
    政策を実現するためには、官僚や政治家といった政策立案に関わる方々、政策を立案する担当者とのつながりが欠かせません。しかし、これらの関係者との接点がない場合、することがあります。政策の実現には、信頼関係を築きながら関係者と協力して進めるネットワーク構築が重要な鍵となります。

ルールメイキングのプロセスや、それを推進する大変さ、各ステップのやり方がわかったとしても、その全プロセスを推進し、政策提言までを完遂するためには、相応の時間と労力が必要です。ルールメイキングの長いプロセスを走り切るためには、目的意識と計画性、そして適切な支援を受けることが重要なポイントとなります。

ルールメイキング支援プログラム「RIFT」

RIFTキービジュアル「その壁を、法律で越えろ。」Rule-making Innovation For Transformation

ルールメイキングにおける4つの障壁は、一朝一夕に乗り越えられるものではありません。そのため、ルールメイキングのプロセスを完了することが難しく、途中で挫折してしまうことが少なくありません。しかし、プロセスが明確で、適切なサポートとリソースがあれば、誰でもルールメイキングを行うことができます。

私たち RULEMAKERS DAO は、ルールメイキングにおけるこれらの障壁を克服し、誰もがルールメイキングに挑戦できるよう、ルールメイキング特化型アクセラレーションプログラム 『RIFT』 を運営しています。ルールメイキングを通じて、事業を加速させたい方はぜひ、プログラムにエントリーしてみてください。

【RIFTプログラム詳細】
RIFT | ルールメイキングアクセラレーションプログラム – RULEMAKERS DAO

 

まとめ

ルールメイキングは、事業や社会課題解決を加速するための強力なツールです。適切に活用すれば、事業の拡大を加速させ、新たな市場を創出し、業界内での認知度を高めることができます。しかし、ルールメイキングを成功させるためには、事業が直面する規制や法律の壁を理解し、効果的に働きかけることが必要です。

ぜひ本記事を参考にして、ルールメイキングで新たな未来を切り拓いていただけたらと思います。

ルールメイキングに少しでも興味を持たれた方は、ぜひ以下のページをご覧ください。

【RIFTプログラム詳細】
RIFT | ルールメイキングアクセラレーションプログラム – RULEMAKERS DAO

<概要>
対象:シード期・アーリー期のスタートアップ起業家や社会起業家など

採択件数:3件 ※選考あり

募集期間:2025年2月2日(日)15:00締切

開催期間:2025年3月1日〜6月14日(約4ヶ月間、毎週土曜日19:00〜21:00。初回キックオフのみ、16:30-18:30に都内にて開催を予定。)

<プレスリリース>
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000149668.html

まとめて読む

ルールメイキング完全ガイド ― 市民が制度を動かす方法

定義と似た言葉との違い、実践の4ステップ、実際に制度を動かした実例3件(デジタルノマドビザ/合同会社型DAO/起業支援)、使える公的な仕組み、用語集、FAQ10問を1ページにまとめています。

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